今回は環境とアウトドアスポーツには切り離せない磁石について詳細を説明したいと思います。
〇磁石とは
磁石についての簡単な説明を、下記の以前投稿した「鳥の飛翔と磁石」に記載していますのでご覧ください。
磁石が鉄やニッケル、コバルトを吸着するというのは小学校で習ったと思います。
実は私たちの身の周りには磁石を使用したものが多くあります。
前回説明した鳥の頭の中には磁石に関連した磁気コンパスがあるし、地球自体も磁場を発生しています。
ハチクマの渡り
〇磁石を搭載したモータや発電機
磁石は定常的に磁場を発生する物質で、ほぼ永久的に磁場を発生します。
この原理を利用し磁石をモータや発電機に利用することで、モータや発電機を小型化や効率化します。
磁石を搭載したモータや発電機を磁石形モータや磁石形発電機と言います。
磁石を搭載しないモータや発電機もありますが、磁石形モータや発電機に比べて、大きくなりエネルギ効率が悪くなります。このため現在は大半のモーターが磁石形のモータや発電機です。
モータや発電機は生活には不可欠なものになるので、世界の発電量の半分以上の消費を占めています。
以前は電灯のエネルギー消費量の方が多かったようですがLEDが発明されたことでエネルギー消費が少なくなっています。
磁石形のモーターや発電機は自動車や飛行機の小型化や効率化にも不可欠で、あらゆる部分に使用されています。EV化に伴いモータの使用が更に増加しています。
最近見かけるようになった風力発電機も、磁石形発電機が使用されており、多量の磁石が搭載されています。
アウトドアスポーツにも使用するカメラの電動シャッターや携帯電話のバイブレータ、非常用に使用する発電機付きライトも小型化や効率化のために磁石形モータや発電機が搭載されています。
〇磁石の原料
現在モータや発電機に使用している磁石は、ネオジム磁石と言う非常に強力な磁力を持つ磁石です。
ネオジム磁石の主原料は、鉄とレアアース、ホウ素からできています。
レアアースを添加しないと強力な磁力が発生しません。
レアアースについて、なじみのない方もいると思いますので説明します。
レアメタルとは別の元素で、下記の周期律表に記載している元素を言います。
学校では習ったことがない元素と思いますが、赤で囲った部分の元素を言います。
Laがランタンと言う元素ですが、これに似たような傾向を示す元素としてレアアースが記載されています。
磁石に使用するのは、Nd:ネオジム Sm:サマリウム Dy:ディスプロシウムなどです。
他のレアアースも電池や液晶の性能を出すには欠かせない元素になっており、「電子材料のビタミン」とも言われています。また、レアアースはかぎられた地域でしか採掘できていません。
このためいろいろな媒体でレアアースが取り上げられています。