昨日は、九州の筑豊地方に行きました。
筑豊地方は、北九州市に隣接し、一級河川である遠賀川沿いの地名になります。
筑豊と言えば炭鉱です。
今は存在しませんが、かつては日本最大の炭鉱地帯として栄えた場所です。
石炭は、現在の石油と同じように、燃料だけでなく、樹脂や製鉄原料であるコークス、肥料などの化学製品の原料として、欠かせない物でした。
石油と同じように莫大な利益が出るので、三菱や三井などの大財閥や地方の財閥が炭鉱を経営していました。そこで石炭は黒ダイヤと言われていたようです。
このために、各地から多くの人が仕事を求めて集まってきました。
ゴールドラッシュのような状態です。
太平洋戦争後、一時は景気が良かったようですが、石油へのエネルギ転換や、海外石炭の輸入により、炭鉱の閉山を余儀無くされたようです。
筑豊炭田は地底深くに潜って採掘するために危険が伴いますが、海外は露天掘りのために危険を伴わずに大量の石炭を採掘することができます。ここに違いがありました。
石炭の次に開発されたのが、石灰岩です。
筑豊の名山であった香春岳の一ノ岳は、石灰岩採掘のために山がなくなっています。
筑豊と香春岳は、1970年代に五木寛之氏の小説でベストセラになった青春の門の舞台になったところです。
主人公が香春岳を眺めるシーンは感動するものがありました。
一方で一ノ岳がなくなったことは残念ですが、石炭がなくなり、ゴールドラッシュが終わった状態で人口が激減したので、生活する上では仕方がなかったのでしょう。
映画が何本か封切られましたが、仲代達也さんや吉永小百合さん、田中健さん、大竹しのぶさん、松坂慶子さん等が出演し大ヒットしました。
青春の門の小説は8部ありましたが、私もほとんど読みました。
青春の門の小説やDVDを見ると、その当時の筑豊の様子がわかると思います。
また、上京編では、昭和の東京の早稲田周辺も記載されているので、関東圏の方もなじみがある地名が出てきます。
香春岳(左から、三ノ岳、ニノ岳、一ノ岳)
香春岳(左から、三ノ岳、ニノ岳、一ノ岳)
線で囲った地域が、およその筑豊地域です。北九州市に隣接します。
かっては、多くの炭鉱が存在し網の目のように鉄道が張り巡らされていました。
下の写真は、炭鉱が閉山前の近代化された採炭の様子です。
ユネスコ世界記憶遺産に登録された山本作兵衛さんの絵を見ると炭鉱開山の初期は
人が手で掘っていたようです。
世界記憶遺産 山本作兵衛コレクション / 山本作兵衛コレクション / 田川市 (joho.tagawa.fukuoka.jp)
採炭の様子 田川市石炭・歴史博物館展示品
炭鉱住宅 田川市石炭・歴史博物館展示品
香春岳周辺を流れている金辺川にいた鳥です。
トビ